「あの人、魅力的だよな」
「魅力的な人ってどんな人だろう」
「魅力的になるにはどうしたらいいだろう」
こんなことを考えたことはありませんか。
魅力的な人って思わず目で追ってしまいますし、憧れますよね。
ではどんな人から魅力を感じるのでしょうか?
本記事では、心理学科を卒業し、認定心理士の資格を持つ私が、魅力的な人について心理学的な観点から要因を7つを解説していきます。
主な対人魅力の要因
- 近接性
- 類似性
- 好意の返報性
- 相補性
- 周囲の環境
- 自尊心への脅威
- 外見
目次
対人魅力とは
対人魅力(interpersonal attraction)とは、人が他者に対して抱く好意や嫌悪などの感情的な態度のことを言います。
ここでいう態度とは、一般的に使われるその人の行動やしぐさなどを言っているのではなく、その人の心の反応のことを言っています。
具体的に言うのであれば、あなたが初対面の方とおしゃべりをし、とても話がはずんでいるとしましょう。おしゃべりが楽しいあなたは彼に対し好意的な印象を持つことでしょう。この楽しいという好意的な反応がここでいう態度になります。
つまり対人魅力とは、人が他者に対する心の反応を言います。
この対人魅力は様々な要因によって変化します。具体的な要因については次から解説していきます。
魅力を感じる要因7選
1.近接性
近接性とは、物理的な距離が近い人ほど魅力を感じやすいというものになります。
あなたはよく会う人や話す人に好意を抱いたことはありませんか?
これはこの近接性によるものかもしれません。
近接性が起こる理由の一つとして、単純接触効果が挙げられます。
これはよく目にする相手ほど、好意を持ちやすくなるというものです。
好きだから相手を見るのではなく、見ていたから相手を好きになっているのかもしれませんね。
2.類似性
類似性とは、趣味や志向などが自身に似ている人に魅力を感じやすいというものです。
似た者同士で集まるというのは皆さん身に覚えがあるのではないでしょうか。これは類似性により自身に似た人に魅力を感じているからと考えられます。
では類似性が起こる理由は何でしょう?
いくつか理由は考えられていますが、そのなかに相手の行動を予測しやすいということや、自身が肯定されやすいというものがあります。
志向が似ているため相手の行動を予測しやすく、行動を予測しやすいため不安が少なくなり、魅力を感じると考えられます。
また志向が似ているため自身と意見が一致しやすく、自身が肯定されやすいため自身の正しさを得られ、魅力を感じるとも考えられます。
3.好意の返報性
好意の返報性とは、他者が自身に好意を持っている場合、自身も他者に好意を持つようになるというものです。
これは相手から好意を寄せられることで、自身の自尊心や満足感が高まるために起こると考えられています。
逆に相手から嫌われていると感じると、自身も相手に嫌悪感を抱くようになります。
4.相補性
相補性とは、自身が持たない不十分な部分を補ってくれる人に魅力を感じるというものです。
類似性とは真逆のことに感じるかもしれませんが、この要素は特に長期的な関係には必要だと考えられています。
お互いの長所短所をカバーし合うことで、お互いの欲求を最大限満たすことができ、物事を円滑に進められるため、心理的なストレスを減らすことができると考えられます。
5.周囲の環境
周囲の環境が快適であった方が、相手への好感度が高まりやすいです。
誰かと仲良くなるために素敵な景色を見に行ったり、おいしいご飯を食べたりしますよね。
これは案外的を射た行いであり、快適な空間であった人ほど相手に好意を持ちやすくなります。
その場の雰囲気というのがとても大切だともいえます。
6.自尊心への脅威
自尊心への脅威というのは、自身が周りから低い評価をされたときに、他者に魅了を感じやすくなるというものです。
皆さんは恋人と別れたばかりの異性に声をかけて近づいた、なんて言う話を聞いたことはありませんか?
あまりいい話として聞く話ではありませんね。ただこれは恋人と別れたことで自尊心が低くなった人に近づくことで、近づいた人への好意度が高くなるという、自尊心への脅威に基づいた合理的な方法だとも言えます。
7.外見
外見は魅力において大切だということは言うまでもないのかもしれません。
実際に心理学の実験において、美人の方がそうでない人と比べて、能力など様々な面で高い評価を得られるという結果が出ています。
つまり美人の方が普通の人より優秀だと判断されやすいということになります。
ただ美男美女でなくとも、表情や立ち振る舞い、服装などで印象を変えることができるのもまた事実ですので、そういったことの努力は怠らないようにしましょう。
魅力的な人になるには
では結局、魅力的になるにはどうしたらよいのでしょうか。
これは個人的な意見ではありますが、私は積極的なコミュニケーションと相手への気遣いが大切だと考えます。
要因の近接性、類似性、好意の返報性、相補性はどれも相手とのコミュニケーションがあってはじめて成り立つものです。
そのためまずは自身から積極的に相手とのコミュニケーションを図ることが大切だと考えます。そうしたうえでこれら要因を頭に入れ行動することで魅力的になれるのではないでしょうか。
また周囲の環境、自尊心への脅威、外見はコミュニケーションだけではどうにもできないものだと感じます。なぜならコミュニケーション以外の外部的な要因があってはじめて成り立つからです。
ではどうしたらいいのか。
それは相手への気遣いを忘れないということだと思います。
快適に過ごせる環境への気遣い、相手の心を推し量りフォローする気遣い、不快感を与えない身だしなみにする気遣い、こういった気遣いこそが魅力的になるには必要なのではないでしょうか。
まとめ
本記事では、魅力的な人について心理学的な観点から以下の7つの要因を解説しました。
- 近接性
- 類似性
- 好意の返報性
- 相補性
- 周囲の環境
- 自尊心への脅威
- 外見
「あまり意識はしてこなかったけど言われてみれば確かに」や「なるほど」と思った人、逆に「いや、いまいちピンとこない」と思った人もいるかもしれません。
この記事をどう感じたかはわかりませんが、皆さんがより魅力的になるには積極的なコミュニケーションと相手への気遣いが大切だと私は考えます。
皆さんが今まで以上に魅力的な人になれる参考になったら幸いです。
コメント